お葬式の流れ
お葬式の流れ
◆臨終を迎えた時 医師から「危篤」と診断されたら、家族、親族(三親等ぐらいまで)、親しい友人、勤め先などへ至急知らせます。連絡漏れや重複を防ぐため、連絡した人の名前は必ずメモを。
◆訃報を知らせる
訃報は、家族や親類、親しかった友人、勤め先、学校をはじめ、葬儀などでお世話になるご近所や町内会にも知らせます。死亡通 知は一般に黒か灰色の枠で囲んだはがきを出しますが、葬儀などの日程が迫っている場合は電話や電報で構いません。「故人の氏名」「死亡日時と場所」「通 夜・葬儀の日時と場所」など要点をメモしておきましょう。
◆臨終の際の手順
遺体はすぐに納棺せず、一晩寝かせたまま肉親が集まって別れを惜しみます。頭を北向きにしますが、場所の都合によっては「西枕」でも構いません。遺体の手は胸元で合掌させます。なお、臨終の宣告を病院で受けたか、自宅で受けたかによって、その後の手順に違いが出てきます。

【末期の水】
新しい筆か、割り箸の先に脱脂綿かガーゼを巻きつけ、白い糸で縛ったものを茶碗の水に浸し、遺体の唇を軽く潤します。
 
【湯灌】
たらいにぬるま湯を入れ、遺体を清めることを「湯灌」といいます。現在は、ガーゼなどにアルコールを浸して清めるだけで済ませるのが一般 的です。
 
【死化粧と死装束】
男性ならひげを剃り、女性は髪を整え、薄化粧をほどこします。長い病気で面 やつれのひどいときは、口の中に綿をふくませます。死化粧をしたら、浴衣や故人愛用の衣類を左前にして着せるのが習わしです。
 
【枕飾り】
臨時の祭壇として、枕元に「枕飾り」をします。一般 的には白布を掛けた小机の上に花立て・香炉・燭台を供えます。線香とろうそくの火は絶やさないようにします。
 
【神棚封じ】
家に神棚がある場合は、白い紙で覆います。葬儀の期間中は供物やお神酒も供えないことになっています。
 
【枕経】
遺体の安置、枕飾りが終わったら、僧侶に「枕経」を読経してもらいます。枕経の謝礼は、葬儀の後にお礼参りをして、通 夜・葬儀等のお経の謝礼と一緒に差し上げるのが一般的。なお、僧侶には迎えの車を差し向けて、「御車代」をその都度渡すことが多いようです。
 
◆死亡の手続き
死亡の事実を知った日から七日以内(国外のときは三カ月以内)に、死亡した土地の市区町村に「死亡届」を提出します。本籍地に提出するときは一通 、死亡地または届出人の所在地に出す場合は二通必要ですが、市町村によって異なります(大分市は一通 )。用紙の右側半分は「死亡診断書」になっており、遺体を診断した医師に記入を依頼します。  役所では二十四時間、届け出を受け付けています。届け出の際は、本人の印鑑(または代行者の印鑑)と火葬料が必要。「火葬許可証申請書」も同時に提出するとよいでしょう。書類は市町村役場や葬儀社にあります。
 
◆通夜までの準備
遺体安置後、通夜と葬儀の準備にかかります。棺の底には白い布団や、故人が生前愛用していた物を一緒に納めますが、金属製品や眼鏡・プラスチックなどは燃えにくく、遺体を汚してしまうので避けましょう。棺に納めたら経帷子を着せ、胸元で手を組ませ数珠を持たせます。棺のふたをし、七条袈裟という金襴の布で覆い、祭壇に安置します。  できれば通夜までに、僧侶に「白木の位牌」に戒名を書いてもらいましょう。
 
◆葬儀までの準備
「火葬・埋葬は死後二十四時間を経過しなければならない」と法律で定められているため、これに従って葬儀の日取りを決めます。また、菩提寺の僧侶の予定も確認を。  席次や遺影の用意、弔辞の依頼、心付け(食事代程度)などの準備も早めに。供物や供花は、故人と血縁の深い人、社会的地位 の高い人を棺の近いところから並べます。花輪も同様に玄関に近いところから並べ、玄関には「忌中」と書いた忌中札を付けますが、最近では、忌中札を略することも多いようです。 
 
【葬儀社の選び方】
今の葬儀社は、死亡届などの手続きから葬儀のしきたりまでコンサルタント的役割をしてくれるところがほとんど。設備の整った、信用のある業者に依頼を。その際は、物品の数量 ・等級・価格・サービスの範囲など詳しい見積書を提示してもらいましょう。
 
【おとき】
葬儀の前後に頂くお別れの膳のことを「御斎」といいます。昔ながらの無常講(葬式組)などが残っているところでは、近所の人が精進料理を作って振る舞います。最近は、仕出し料理などで賄うケースが増えたようです。
 
◆通夜
夜のことを「夜伽」ともいいます。葬儀の前夜、家族や親類が霊を慰めるとともに、故人をしのびます。開始時刻は、冬なら午後六時ごろ、夏なら午後七時ごろからで、一〜二時間で終わる「半通 夜」が普通になりました。(※国東方面では「通夜」はしないそうです)  通夜に限らず、喪主は葬儀・告別式を通じて弔問を受ける立場に専念します。出迎え・見送りをしなくても失礼にはなりません。
 
◆焼香

焼香の形式には、「立礼焼香」「座礼焼香」「回し焼香」があります。焼香のために使われる香には、線香や抹香(粉香)などがありますが、通 夜や法事などでは線香を上げ、葬儀や告別式では抹香をたくというのが一般 的です。  焼香の回数や仕方は、宗派や地域によって違ってきます。指示があればそれに従い、なければ普段行っているように拝礼して差し支えありません。混雑している場合は、一回で済ませた方がよいでしょう。
 
◆通夜ぶるまい
通夜の式の後、弔問客へのお礼と故人への供養の意味を込めて催す小宴が「通 夜ぶるまい」ですが、最近はかなり簡素になり、夜も十時ごろには帰っていただくようにします。  僧侶には喪主から勧めて一緒に食べていただきます。辞退されたときは、当日の「御車代」のほか「御膳料」を包みます。
 
◆葬儀

「葬儀」は、遺族・近親者・友人などが故人の成仏を祈る儀式。「告別 式」は、一般の知人が故人に最後の別れを告げる儀式です。本来は別 々に行うものですが、現在は葬儀に続いて告別式を行うのが一般的です。

1.参列者着席  受け付けを済ませ、遺族・近親者は早めに式場に入り、祭壇に向かって図のように座ります。
  最近は来賓席を設けず、前列に並んでもらう場合も多くなっています。

2.僧侶入場  参列者が着席し終わったら、僧侶が入場。参列者は起立して迎えます。

3.開式の辞  進行係が「ただ今から、故○○の葬儀を執り行います」とあいさつします。
  社葬などでは肩書きと敬称を付けますが、個人葬では付けないのが礼儀です。

4.読経  僧侶が読経します。続いて、導師が棺前で引導(法語や経文を唱えること)を渡すこともあります。

5.弔辞・弔電披露  弔辞は一人約三分、三人程度が一般的。続いて弔電を披露しますが、
  読み上げる順序は、あらかじめ決めておきます。   披露後は、全部祭壇に供えます。

6.焼香(遺族・親族・代表者)  僧侶が焼香した後、二度目の読経が始まります。喪主・遺族・近親者などの順に焼香します。

7.閉式の辞  進行係が終了を告げ「なお、引き続き告別式に移ります」と述べます。
  祭壇に向かっていた喪主・遺族は、告別 式の会葬者の方に向いて座ります。
 
◆告別式

僧侶が読経している中、一般会葬者が焼香します。会葬者は遺族席に向かって礼をしますが、遺族は一人一人に返礼します。会葬者が礼をしなくても、遺族は必ず黙礼しましょう。
 
◆出棺

告別式終了後、祭壇から棺をおろしてふたを開け、祭壇に飾った生花の花(別 れ花)だけをちぎって遺体の周りに埋めながら最後の対面をします。その後、くぎ打ちをします。軽く打つまねをするだけですが、故人とつながりの深い人から順に、頭から足の方へ小石で一人二回ずつ打ちます。遺体を霊柩車に運んだら、喪主または親族代表が会葬者に対しお礼を手短に述べます。
 
◆火葬

喪主が棺を乗せた霊柩車に乗り、遺族と僧侶がその次の車に、最後に親族・友人・知人がそのほかの車に乗ります。  火葬場に着いたら焼香台に位牌や花を飾り、僧侶の読経に続いて全員が焼香します。  火葬にかかる時間は、一時間半から二時間。その間は、控室で茶菓の接待をしながら故人をしのびます。
 火葬が終わったら、「骨揚げ」を行います。木と竹を組み合わせた箸を一人一膳ずつ持ち、二人が骨を同時に挟んで骨つぼに納め、一、二片拾ったら箸を次の人に渡して交替します。一般 的には、足の骨・腕の骨・背骨・ろっ骨・歯・頭骨の順に拾い、最後にのど仏を故人と最も血縁の深い人が拾い、骨つぼの一番上に置きます。分骨する場合は、分骨用の骨つぼか骨袋を用意しておきましょう。
 
◆遺骨迎え
遺族が火葬場に行っている間、手伝いの人たちが遺骨を迎える準備をします。白布をかけた小机に遺影・生花・香炉・線香・燭台・供物などを供えて祭壇を用意します。  玄関や門には清めの塩を入れた小皿・バケツに水ひしゃく・タオルなどを用意しますが、「死は汚れではない」という考えから、清めの塩を廃止しているところも多いようです。  遺骨を安置したら位牌を置き、灯明をつけ、線香を上げ、僧侶にお経を唱えてもらいます。遠方から来ている近親者のことを考え、遺骨迎えに続いて初七日の法要を営むケースも増えています。
 
◆精進上げ
骨揚げの終わった日の夜に「精進上げ(落とし)」をします。精進上げでは、僧侶や葬儀でお世話になった人たちへの慰労感謝を込め、近親者や親類の人たちがともに食事をします。都合で僧侶を招かない場合は、丁重にその旨を伝え、通 夜ぶるまいと同様に「御膳料」のほかに「御車代」を包みます。  酒の酌もひとわたり済んだところで、喪主が改めて礼を述べ、お開きにします。 
 


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